第一章 終わりと始まり ―X―
一言で表すと不気味。2人の目の前には例の古い屋敷が建っていた。蜘蛛の巣や埃がかったとても大きな門。そこは鎖で頑丈に閉められ開ける事が出来なかった。
「流石に…僕無理ですよ。」
門を見上げながらベルゼは言った。銀ならこう言うことは慣れているため飛び越えられる。銀はがさごそとバッグの中をあさっていると何かを見つけた。
「今度は俺が頑張らなきゃね。」
「何するの、お兄さん?」
「こんな時のためにと思って色々持ってきてたんだ!」
「じゃじゃーん!ただのロープ!これを使って門を乗り越えるよ。」
銀がバッグからロープを出したとき、何かが一緒に落ち「た。
「お兄さん、何か落ちたよ?」
ベルゼが何かを拾いあげた瞬間何かの出っ張りを押してしまい「カチッ」と音が鳴る。銀がロープを門の上に引っ掛けながらベルゼを見る。
「それは、ぴよぴよ爆弾っていってね結構威力の強い爆弾だよ。でも、スイッチ入れなきゃ爆発しないから平気だよ。」
「でもお兄さん…これ、ピヨピヨって鳴いてる。」
「―スイッチが入ってる?!」
銀は持っていたロープを捨て、ベルゼを急いで抱え持っているぴよぴよ爆弾を門のほうに投げる捨て急いでその場から離れる。
― ピヨ ピヨ ピヨ ピヨ ピヨ ―
―ビョォォォーーーーーッ!!!!―
物凄い爆発音とともに、門とその周辺の塀は一瞬にして吹き飛んだ。この爆弾、ふざけた名前だが威力は普通の爆弾より上だ。飛び散った門の破片らしきものを避けながら二人は門のあった場所に行く。古い屋敷までは飛ばなかったが、門は無くなっていた。
「お兄さん、凄かったね!」
「そ、そうだね。」
「じゃぁ、噂の館へいざ出発ーッ♪」
2人は、門の残骸を踏み越え屋敷のに向かう。屋敷の玄関は門と同じくらい大きかったが、二人で押すと簡単に開いてしまった。屋敷の中は―外見とは違い、埃一つなく明かりが灯っていた。
「すごい、綺麗だね…だれか、住んでるのかな?」
「分からないけど、そうかも知れないね…」
警戒しながら二人は中へと踏み込む。床には真っ赤な絨毯が敷かれ、天井には立派なシャンデリア。壁には絵画や像などがあったり花も飾ってあった。屋敷の中は花の香りがしているが、微かに血の匂いがしていた。
「あのーすみません。誰かいますか?」
だが、返事は無い。
「お兄さん♪お金見つけちゃった。あと、アイテムもあったよ♪」
「ベルゼ!もし人が住んでたら・・・」
「大丈夫だよ♪だって、声かけても返事がないんだから。」
そう言いながら、ベルゼは色々な場所を調べる。銀は宝を探すよりも血の匂いが気になり、あたりを見ると玄関を入ったすぐのところにある階段の裏の小さな扉が目に付いた。他の扉とは違い、古そうでお世辞にも立派とはいえない扉だった。ゆっくりと近づき、扉を開けるとその中は薄暗く、急な階段になっていた。ここからはハッキリと血の匂いがし、微かに声も聞こえた。
「ベルゼ?ちょっと離れるけど、絶対にここにいてね?」
「分かったよ、お兄さん♪」
宝物探しに夢中になり、ベルゼは銀のほうを向かず返事をした。銀は、扉を開けゆっくりと階段を壁を伝い下りていった。
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